航空運送事業に使用される航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準(平成24年6月1日)
平成12年 1月28日制定 (空航第100号・空乗第23号)
平成12年 6月 2日一部改正(空航第420号・空乗第97号)
平成14年 2月 1日一部改正(国空航第1221号・国空乗第1649号)
平成15年 4月 8日一部改正(国空航第1299号・国空乗第1672号)
平成16年 8月25日一部改正(国空航第483号・国空乗第185号)
平成19年 5月28日一部改正(国空航第150号・国空乗第91号)
平成23年 6月30日一部改正(国空航第543号・国空乗第133号)
平成24年 6月 1日一部改正(国空航第172号)
国土交通省航空局技術部長
航空運送事業に使用される航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準
1.目的
この基準は、本邦航空運送事業者が行う航空運送事業に使用される航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準を定めることを目的とする。
2.基準
2−1 国際航空運送事業に使用される航空機、又は国際航空輸送を除く航空運送事業に使用される客席数が60を超える航空機若しくは最大離陸重量が25,000キログラムを超える航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準は、以下のとおりとする。
(1) 耐空証明において最少乗組員数が2人以上と指定されている航空機に乗務する操縦士及び航空機関士の年齢の上限は、65歳未満とする。ただし、(6)に規定する場合を除き、60歳以上の操縦士は1機に1人に限る。
(2) 耐空証明において最少乗組員数が1人と指定されている航空機に乗務する操縦士の年齢の上限は、次のとおりとする。
@ 国際有償運航に乗務する操縦士の年齢は、60歳未満とする。
A 国内有償運航又は国際・国内無償運航に乗務する操縦士の年齢は、65歳未満とする。ただし、(6)に規定する場合を除き、当該操縦士の他に当該運航に適した資格等を有する60歳未満の操縦士が乗務すること。
(3) 63歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合には、緊急時における対応等の項目について定期訓練時等に付加的な訓練を実施するものとし、その具体的な内容を運航規程又は同附属書に定めること。
(4) 60歳以上の航空機乗組員は、別に定める「航空身体検査付加検査実施要領」(以下「要領」という。)に定める検査(以下「付加検査」という。)を受け、これに合格していること。
(5) 60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合であって、付加検査の問診等の結果、疲労、時差等について考慮する必要がある航空機乗組員については、乗務割等について配慮を行うこと。
(6) 60歳以上の操縦士を組み合わせて乗務させる場合
@ 健康管理担当者を配置するとともに、健康管理部門、航空産業医(航空身体検 査証明についての国土交通大臣が行う講習会に出席したこと又は航空身体検査証明について当該講習会に出席した者と同等以上と認められる知識を有する者に限る。)及び航空身体検査証明を担当する指定航空身体検査医との間において、常時連絡ができる体制が整備されていること。
A 健康管理部門、航空産業医及び運航管理部門との間において、60歳以上の操縦 士について加齢による影響と考えられる定期審査及び航空身体検査等の結果を共有し、必要に応じ対策が講じられる体制が整備されていること。
B 国際有償運航を行う場合、運航時間、疲労、時差等について考慮して国内線と同等と考えられる国際線であって、関係国の了解を得ることとしていること。
C 航空身体検査基準の一部に適合しないため国土交通大臣の判定を申請し、条件付合格(航空身体検査マニュアルU−4−3対象者に限る。)の判定を受けた者を組み合わせて乗務させる場合には、その可否について国土交通大臣の判定を受けることとしていること。
2−2 国内において路線を定めて行う航空運送事業に使用される客席数が60以下であり、かつ、最大離陸重量が25,000キログラム以下の航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準は、以下のとおりとする。
(1) 62歳未満の者を乗務させる場合
@ 機長のみで運航できる場合(注)であっても、機長以外の操縦士であって、事業用操縦士の資格についての技能証明(ヘリコプターの場合は型式限定の資格を有すること。)及び計器飛行証明(飛行機の場合に限る。)を有する者を乗務させること。
(注)耐空証明において最少乗組員数が1人と指定されている航空機であって、客席数が9以下のもので有視界飛行方式により飛行を行う場合。
A (4)に規定する場合を除き、機長又は機長以外の操縦士のいずれかは60歳未満であること。
B 運航規程に次の項目を規定し認可を受けること。
ア.乗員は、自ら乗務に適した健康状態を維持するとともに運航に影響を及ぼすような心身の異常を自覚した場合には乗務しないこと。
イ.乗員は、職務の遂行に当たり、心身に支障のない状態にあることを相互に確認しあうこと。
ウ.運航管理者、運航管理担当者等は、乗員の心身が飛行に支障のある状態にあることが判明した場合には、当該飛行を実施させない等所要の措置をとること。
(2) 62歳以上の者を乗務させる場合であって、国内有償運航を行う場合
@ 耐空証明において最少乗組員数が2人以上と指定されている航空機に乗務する操縦士の年齢の上限は、65歳未満とする。ただし、(4)に規定する場合を除き、60歳以上の操縦士は1機に1人に限る。
A 耐空証明において最少乗組員数が1人と指定されている航空機に乗務する操縦士の年齢の上限は、65歳未満とする。ただし、(4)に規定する場合を除き、当該操縦士の他に当該運航に適した資格等を有する60歳未満の操縦士が乗務すること。
B 63歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合には、緊急時における対応等の項目について定期訓練時等に付加的な訓練を実施するものとし、その具体的な内容を運航規程又は同附属書に定めること。
C 62歳以上の航空機乗組員は、要領に定める付加検査を受け、これに合格していること。
(3) 60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合であって、付加検査の問診等により、疲労、時差等について考慮する必要がある航空機乗組員については、乗務割等について配慮を行うこと。
(4) 60歳以上の操縦士を組み合わせて乗務させる場合
@ 健康管理担当者を配置するとともに、健康管理部門、航空産業医(航空身体検 査証明についての国土交通大臣が行う講習会に出席したこと又は航空身体検査証明について当該講習会に出席した者と同等以上と認められる知識を有する者に限る。)及び航空身体検査証明を担当する指定航空身体検査医との間において、常時連絡ができる体制が整備されていること。
A 健康管理部門、航空産業医及び運航管理部門との間において、加齢による影響と考えられる定期審査及び航空身体検査等の結果を共有し、必要に応じ対策が講じられる体制が整備されていること。
B 航空身体検査基準の一部に適合しないため国土交通大臣の判定を申請し、条件付合格(航空身体検査マニュアルU−4−3対象者に限る。)の判定を受けた者を組み合わせて乗務させる場合には、その可否について国土交通大臣の判定を受けることとしていること。
附 則
1.この基準は、平成12年2月1日から適用する。
2.「定期航空運送事業、定期航空運送事業者が行う不定期航空運送事業(二地点間旅客輸送及び二地点間へリ輸送を除く。)、又は国際不定期航空運送事業に使用される航空機に60歳以上の航空機乗組員を乗務させる場合の基準」(平成8年9月24日付け空航第661号/空乗第186号)及び「二地点間旅客輪送及び二地点間へリ輸送に60歳以上の操縦士を乗務させる場合の基準」(昭和63年9月7日付け空航第796号(平成8年9月24日までの改正を含む。)、以下両通達を「旧通達」という。)は、廃止する。
3.旧通達に基づき実施された航空身体検査付加検査は、本基準に基づくものとみなす。
附則(平成12年6月2日)
1.この基準は、平成12年6月2日から適用する。
附則(平成14年2月1日)
1.この基準は、平成14年2月1日から適用する。
附則(平成15年4月8日)
1.この基準は、平成15年4月8日から適用する。
附則(平成16年8月25日)
1.この基準は、平成16年9月1日から適用する。
2.(削除)
附則(平成19年5月28日)
1.この基準は、平成19年5月28日から適用する。
附則(平成23年6月30日)
1.この基準は、平成23年7月1日から適用する。
附則(平成24年6月1日)
1.この基準は、平成24年6月1日から適用する。
2.当面の間、2-1のうち、無償運航については、60歳以上の操縦士を組み合わせて乗務させる場合の基準は適用しないことができる。
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